税務にまつわる論点をQ&A形式で記載いたします。
Q.当社は1人法人です。法人の資金をオーナー個人に還元させる際に税金は発生しますか?
法人からオーナーに資金を移す方法を教えてください。
A.以下、回答いたします。
前提として、法人と個人は別人格であるため資金は分別して管理する必要があります。そして、法人に蓄積した資金をオーナー個人へと還元する場合、一般的には役員報酬、役員賞与、配当などの方法を用いることがありますが、いずれの方法によってもオーナー個人において課税が生じることとなります。
ただし、オーナーが債権の回収として法人から資金を受け取る場合、オーナー個人に課税は生じません。
実務上、個人から法人へ資産を譲渡し、これにより発生した債権をオーナーが回収するということがよくありますので、代表的な事例(資産の譲渡)を2件記載いたします。
1.オーナーから法人への車両の売却
オーナーの車を法人の社用車として利用するような場合です。
オーナーが個人で所有する車両を法人へ売却し、以後は法人の資産として使用します。譲渡価額は時価によることとなりますが、譲渡に際し譲渡対価を掛取引とすることで、オーナーは法人に対して債権を有することとなります。
課税関係については、オーナーが当該車両を利用していた際の利用目的(事業用、非事業用、転売目的等)により変わりますので、譲渡を行う際にはこれらを勘案し、オーナーの課税関係を整理する必要があります。
また、法務面については、譲渡契約書や金銭消費貸借契約書を適切に整備し、所有権の移転時期を明確にしたうえで、手続きを進めていく必要があります。
2.オーナーから法人への不動産の売却
オーナーが個人として保有する賃貸不動産を法人に移すような場合です。
車両の売却と同様に譲渡価額は時価となりますが、税務上の時価の概念には幅があるため、固定資産税評価額や売買実例価額等を参考に時価を算定していきます。
賃貸不動産を売却する場合、物件の一部又は全部を譲渡するのか、土地建物の両方を譲渡するのか又は建物部分のみを譲渡するのか、その他不動産にかかるローンの状況など、さまざまな事項を考慮し、シュミレーションを行う必要があります。
こちらも車両の譲渡と同様に、個人に譲渡所得が生じる可能性があり、かつ、金額が大きくなる可能性がございますので、留意が必要です。
以上となります。
法人新設後や法人成り実施後、法人にキャッシュが貯まることが予想されるような場合、オーナーから法人へ譲渡すべき資産の有無を確認することをお勧めします。
当事務所では「新設法人、中小法人向け無料相談」を行っておりますので、お困りごとがあれば、お気軽に下記までご相談ください!

